箇条書きなど文書化と診断書で、学校へ交渉しましょう。

トラウマ(心の傷)とPTSDの専門家 百世 安里

こんにちは。
いじめとPTSDの専門家、百世です。

ご相談ありがとうございます。

今は心のきれいな子、勉強のできる子、正義感のある子、
個性や才能のある子など、いい子ほど狙われます。

お父さんがいじめ対処に出てこられていることは、
お子さんにとって、とても心強いことですよ！！


>１　いじめによる心の傷が、脳の画像にキズとして現れますか？

はい。PTSDになると、脳に傷が現れます。

自然災害などでは、仕方ない面もありますし、
周囲からの援助もあり、PTSD発症率は3〜4割と言われています。

しかし、いじめとレイプの場合は、PTSD発症率7〜8割と上がります。
それは、長期化による複雑性PTSD、
自然のように避けられないものではなく、他人の悪意に原因があること。

また、被害者に理由をこじつけたりと、
周囲の理解や援助が欠けていることなどが影響しているでしょう。

ただ、脳のキズが快復する画像も発表されていますので、
あまり悲観されないでください。

『心の病は脳の傷』という本です。
著者の教授は、運動とアミノ酸が快復に効果的とされています。


>２　いじめにより恐怖心や不安感が植えつけらてたように思えます。これが主原因で不登校になっている可能性はありますか？

はい。おおいにあります。
PTSDでは、「回避」と呼ばれる症状です。

「危険を避ける」ことは、生存のカギを握る「本能」です。
そのため、嫌な体験をすると、次からそれを避けて安全を守ろうとします。

たとえばもし交通事故にあったら、その現場を通ると嫌な気分がしますよね。
それは、本能がアラームをならす症状です。

生きていくために、必要な本能ですが、
たとえば交通事故の「現場」だけを怖がるのなら、
他の道を通ればなんとかなります。

しかし、「交差点すべて」や「車に乗ること」自体が怖くなったら、
生活が不便になってしまいます。

こういったPTSD症状を引き起こすものを「トリガー（引金）」と呼びます。


お子さんにとって、いじめをしたクラスだけでなく、
学校全体を危険と、本能がトリガー認識しています。

それは、先生方がいじめを放置するなど、
ここは守ってくれないと感じたからかもしれません。

クラス崩壊するような学校は、改善があまり望めません。
転校がベターですが、
難しいようでしたら、少なくともクラスを変えてもらいましょう。

お子さんの気持ちを大切に、
相談されながら進められてくださいね。


>３　今後の対処法について教えてください。来週、県内の専門医に見せる予定です。

まず、現在の症状は「箇条書きなどで文書化」されることをお勧めします。
学校などの交渉にも有利ですし、
病院などでも落ち着いて説明できます。

このページの「いじめ対処法ダイジェスト」に
文書化の必要性や方法などをまとめています。
http://www.mental-support-jp.org/#!ijime/cuzs


次に、病院で「診断書」を書いてもらうといいでしょう。
コピーを学校へ渡して、対策を求めましょう。
（すべてにおいて、原本を渡してはいけません。
故意に？証拠をなくしたりもありますから）

順番は、学校ヒエラルキーの下から
担任→学年主任→副校長→校長にアプローチします。

最初に校長へ話してダメだったら、次に切るカードがありません。
なので、下からいくと、チャンスは増えます。

主任がダメでも、副校長など上が命令したら、
コロリと下は態度が変わりますから大丈夫。

上下関係をおどし的に使います。担任でしたら
「いつ（期限を必ず）までに、こういった対処をしてください。
進展が見えないようでしたら、学年主任に相談しますよ」という風に。

対応する気がない、ダメだと思った相手は、
固執しないで、その上にいきましょう。
それでもダメな場合は、教育委員会や裁判所の調停や警察になります。


それと、気をつけていただきたいのが、お薬です。

精神科にいかれると、ほぼお薬が出るでしょう。
というか、お医者さんは、どの薬を出すかを聞き取って判断するだけ。

眠れないと聞けば、睡眠薬を出す。

しかし、睡眠薬をもらって、いじめが解決するでしょうか？
心のキズが快復するでしょうか？

お薬は化学的に症状を抑えるだけで、
治すものではありません。

それは、問題が先伸ばしになるだけ。
しかも、薬漬けになって悪化する場合も多いのです。

特に10代ですし、お薬は極力避けていただきたい。
カウンセリングの方がベターです。

ただ、ほとんどのカウンセリングは傾聴で聞くだけだったり、
ただ「待ちましょう」だったりと、
解決に向けたものになっていないものが多いかもしれません。

その場合は、次の4つのステップを意識してみてください。

1.安全、安心な環境
2.感情の吐き出し、解放
3.トリガー（引金）への配慮
4.自己コントロール感、有用感

PTSDの理解と快復の方法は、こちらのスライドを。
http://www.mental-support-jp.org/#!m-cafe/c1wd8

細かい対応は、こちらの12回のシリーズをお読みください。
http://mental-support.main.jp/ptsd・いじめ対策/what/

たいへんですけれど、学校との交渉
粘り強くがんばってくださいね！

また交渉前には、
必ずお子さんに「こういうことをしていいか」と確認してくださいね。
当事者はお子さんですから。(^_^)

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回答日時：2014年2月19日(水) 11:22 JST

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