娘さんの話や被害をまっすぐ受けとめて、謝りましょう

トラウマ(心の傷)とPTSDの専門家 百世 安里

こんにちは。いじめと心の傷の専門家、百世です。
お返事が大変遅くなって、ごめんなさい。

＞ただ、以前娘が横を通ったときに別人の体臭のような臭いがあり、いまだにそれが私の中でひっかかっています。
兄とのことがあり心の傷になっているので異性については関心がないし、気持ち悪いといっていたのに、何か男性の影があるようでそれも心配です。

私は、あなたのこの言葉が気になります。
それは、とても否定的だからです。

大学生で仕事もしているなら、もう大人ですよね。
でしたら、ボーイフレンドくらい当たり前のことでしょう。

しかも、性的な被害にあったのでしたら、
彼氏ができたことは、
男性嫌いが癒えたのでは・・と喜んでもいいと思うんですよ。

なのに、どうして「別人の体臭」「男性の影」「心配」
といったネガティブワードが並ぶのでしょう。

こういった言葉の影に、お子さんに対する支配欲が見え隠れします。
そういう考え方や態度、特に親であればこそもう束縛されたくない、
だから連絡とりたくないという娘さんの気持ち、わかります。


●性的暴行について

お兄さんに「心当たりがある」のなら、それは黒ですよ。
「具体的な話をしない」のは、後ろめたいからです。

堂々と具体的に話せますか？性的な暴行を・・・それも母親に。
話せませんよ、ふつう。

あなたは「息子の味方をしたつもりはない」と書いていますが、
そのくせ「少し疑問があります」というのは、矛盾しています。

お兄さんが心当たりがある上に、離れて生活したのは、ナゼでしょう？
事実だからでしょう。

ただ母親として、その「事実が受け入れられがたい」んですよね。
それはそうですよ、自分の子供たちが加害者と被害者だなんて。

でも、「あなたが事実を受け入れがたい」ということと、
「娘さんの話を信じない」というのは別です。

もし自分が娘さんの立場だったらどうでしょう？
性的暴行を受けて、ずっと心に残って傷ついているのに、
「あなたの話なんて信じられない」「本当にそんなことあったの？」
なんて言われたら・・・そんなことを言う人は、信用できなくなりますよね。

あなたは、自分の考え方や行為に
もう少し客観的になる必要があります。


●娘さんとの今後について、関係を修復するには

まず「あなたの辛い気持ちをうまく理解できなくて、ごめんなさい。
母親として失格だとは思いたくなくて、とても受け止めきれなかったの」と
反省して、素直に謝ることです。

そして、娘さんは学費しか求めていないんですよね？

つまり、生活費は自分でなんとかしているわけです。
それは、偉いと思いますよ。

まだ若くて保証人もいないと、アパートも借りられません。
それでも、家にいるのはツライ・嫌だと思って、
ネットカフェで働きながら暮らしているんですよね。

あなたも一度、どこかのネットカフェで一晩過ごしてみてください。
狭くて足が伸ばせなかったり、
とても安眠できる環境ではないですよ。

そんな環境であっても、実家には帰りたくないというほど、
娘さんが追い込まれているのはナゼでしょう？

お兄さんのこと、そして
あなたのそのネガティブな言動に原因があるのではありませんか？

20歳前後の時給でいくら働いても、
生活費＋学費も賄うのは、不可能でしょう。

ほとんどの人は奨学金という名のローンを借りていますよね。
でも、その返金もたいへんです。

これまで寂しい思いをさせたというのでしたら、
学費だけは卒業まで出してあげてはいかがでしょう。

娘さんに渡すのが抵抗があるのでしたら、
大学へ直接振り込んでもいいでしょう。

駆け引きをしてはいけません。
むしろ、「これまで、ごめんね。あなたを信じているよ」
「そして、あなたと話がしたい気持ちもわかってほしい。
いつでもいいから待っているよ」と
伝えてあげてください。

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回答日時：2019年7月10日(水) 22:31 JSTお礼のコメントを書く

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