相談&回答 |
約7分で読めます。
※相談&回答を読んだ時の目安時間 |
回答プロ:公認心理士 / スクールカウンセラー / 研修講師 / コーチ 増田 進明
ご相談者:20代/女性
「やる気」が出ずに困っています。
初めまして。質問する機会を頂き、ありがとうございます。
私は現在、入社3ヶ月の試用期間を終えた会社員です。商品の出荷に関わる伝票入力が主な仕事ですが、7月21日からパート契約へ変更となりました。原因は私にミスが多いことです。同居中の親に相談すると「それは体裁の良い解雇通告だ」と言われました。私もその通りだと思います。しかし家にお金が無く、働かなければ食っていけないので、パート契約になっても空いた時間にアルバイトをするなど、お金だけは得ていく予定です。
私が問題と思っているのは、会社からこのように言われた後も何をしたら良いか分からず、努力もしないでのうのうと過ごしてしまう自分自身についてです。努力しなきゃ何も進まない、それは頭で分かっています。私は甘えています。努力したくないです。今まで誰に「努力しなさい」と言われても、私は何もしなかった。こんな怠けた考えだから役立たずで社会のゴミなのです。自分は大嫌いですが我が身が一番かわいいです。努力するくらいなら死んだほうがマシと思ったこともあります(自殺願望がある訳ではありませんが、突然そう思ったりします)やる気が無い楽になりたい働きたくない生きたくない…
そんなマイナス感情の悪循環がミスを生み、努力を敢えてしない自分を生んでいると思っています。どのような事に気をつければ、この悪循環を断ち切ることが出来るでしょうか。日々をどのような意識で過ごせば改善できるでしょうか。私はもっと、前向きで明るい人間になりたかったのですが…
20代/女性 | 日付:2009年7月 4日(土) 11:03 JST | 閲覧件数: 1,430
公認心理士 / スクールカウンセラー / 研修講師 / コーチ 増田 進明
ご相談ありがとうございます!
相談内容、読ませていただきました。
まず、前向きで明るい人間になりたいという点ですが、前向きじゃないとだめだという感覚だと、
逆にそれが脅迫観念になってプレッシャーになるので、その辺はほどほどにしてください。
前向きさといったメンタル的なものは自転車の運転と同じで、最初ほど転びやすく、けがもしやすいですが、
こころがけていればだんだんとバランスを取って運転できるようになります。
学習効果があるものからです。
おそらく小さな子供が自転車に乗る練習をしていて、何度かバランスをくずして足をついてしまったり、
転んでしまったところを見たとして、その子供が
「自分には自転車に乗る素質はない」とあきらめかけてしまったとしたら、
「いやいや、ちゃんと練習を続ければ乗れるようになるよ」というような助言をすると思います。
まさか「そうだね、君には才能がないから、今後一生自転車に乗る練習はしない方がいいよ」とは言わないでしょう。
ですので、こころがけはすこしずつしていってほしいものですが、
今は自転車の話でいえば、いわば転んでけがをしたばかりの状態なので「自分は自転車に乗る素質がないのでは?」と、
自信をなくしてしまっているご様子です。
そういうときになおも乗り続けると、傷口が広がりますので、とりあえずしばらく自転車の練習はほどほどにした方がよさそうです。
日をあらためてまた練習してみたら、急に上達したということもあるので、
プラス思考というものは自転車の練習よりはもうちょっとだけ運転が難しい乗り物ですが、
こころがけはすこしずつしていってください。
次にここからが本題ですが、努力というものは、あくまで自発的なものであって、誰かに促されてするものではないですよね?
それでは単なる強制になってしまいます。
ですから、あなたが努力したくないというのであれば、誰がどうしようとも努力させることはできません。
あくまで自分がなんとかするしかないものだという事実確認はしてください。
そんなことはわかっている、その事実確認はした上で、でもできないんだというのであれば、
どこかでまだ大丈夫なんじゃないか、なんとかなるんじゃないか、あるいはなんとかなってくれないかな、といった感覚が
あるだけの話です。
そのような感覚が変わらない限りは、いつまでもそのままです。
誰しも楽していい思いをしたいわけですし、その気持ちはみんなわかってくれると思います。
ですからそんな自分をダメ人間だという感覚は手放してください。「楽志向」はいたって自然な人間の感覚です。
ただ、いわゆる社会の原則論で言えば、基本的には自分を磨いている人ほど報われた人生をすごしています。
努力を積み重ねて、自分を魅力ある人間へと育てている人は、それ相応の充実感を手に入れることができています。
それが現実なので、お気持ちはわかりますがどこかで気持ちを新たにするしかありません。
今努力している人だって、もともとは楽志向なんですが、どこかで気持ちの区切りをつけて、
社会の原則論に自分の気持ちをなじませていくようにしていったのだと思います。
それらを考えていくと、あなたの資質うんぬんよりは、気持ちの区切りがつくような「きっかけ」を作ることを考えた方がいいでしょう。
そして、もしかするとなにかきっかけがあれば、と思ってご相談されたのかもしれません。
きっかけを作るためには、「下準備」が大事で、私はいつも「ラーメンの話」をしています。
たとえば朝、「今日夕方仕事が終わったら、ラーメン食べようかな」と、一度だけ思ったとします。
意識したのが朝1回だけですから、もしかすると夕方ラーメン屋さんの前を通っても、そのときは忘れているかもしれません。
「行動の変化」が起こっていないわけです。
でも仮に、朝からずっと「ラーメン食べたい、ラーメン食べたい」と念仏のようにつぶやいていたとしましょう。
何度も何度も意識しているわけですから、夕方ラーメン屋さんの前をとおったら、まずどんなラーメンかチェックするでしょうし、
そのラーメン屋さんに入るかもしれません。
「行動の変化」が起こっているわけです。
行動が変わればそれに伴う「結果」が変わり、結果の集積が「人生」ですから、人生が変わるということになります。
要するに、日ごろから意識付けという「下準備」をしていれば、
ラーメン屋さんの前をたまたま通り過ぎるという「きっかけ」から、行動の変化が起こり、人生を変えられるということです。
変えたいと思っているのに変えられない、という問題を抱えている人は、きっかけがないというよりは、
きっかけの下準備が足りていない、という場合が多いです。
実はきっかけはあったのに(ラーメン屋さんの前は通っているのに)、下準備が足りないからきっかけをきっかけとして認識できていないのです。
そしてここでひとつポイントがあります。
それは、もしラーメンが大嫌いな食べ物だったら、いくら意識付けしても、ラーメン屋さんの前を通って中に入るようなことはありえない、ということです。
あくまで「ラーメンはおいしい」と思っているからこそ、意識付けすれば行動の変化が起きるのです。
ですから、努力をしたり、自分を磨くことが、自分にとって「おいしい」ものだという価値観がなければ、
いくら意識付けをしても行動の変化は起きないのですが、どうやら「努力するくらいなら死んだ方がまし」という価値観なので、
その部分から変える必要があります。
世の中が努力をしなくても充実した人生を歩めるところだったらそれでもいいと思うのですが、
実際は先に述べたように、自分を磨いた人が報われるのが社会の原則となっています。
夢物語の話でなく、現実世界の話をしているわけなので、
それは受け入れて、自分磨きはおいしいものだという価値観を持つことからはじめてください。
野球の練習をしなくても、たまにはヒットは打てますが、何試合もやれば全体の成績はかんばしくないのと同じで、
努力しなくても、たまにはいいことがありますが、全体の人生は落ち込みます。負けが混んで来ます。
腕立てをめいっぱいやって20回までが限界の人に、いきなり50回やらせたら体をこわしてしまうのと同様に、
いきなりがちゃがちゃやりはじめなさいというわけではありません。
価値観を見直して、きっかけを作る下準備(意識付け)をして、まずは腕立て25回からといった、
ちょっとしたチャレンジを積み重ねていけば、いつのまにか100回できるようになります。
そうなってしまえば、50回なんて楽勝です。
あとが楽になる人生に、今のうちからすこしずつシフトしていきましょう。
長文読んでいただき、ありがとうございました!
増田 督(ますだ すすむ)
回答日時:2009年7月 4日(土) 13:16 JSTお礼のコメントを書く
・お礼はご本人のみ投稿可能です。
・回答を読みましたらご投稿下さい。
こちらのプロも相談受付中です。
悩み辞典は、安心して登録・相談できます。
※ 当サイトは、ご記入いただいた個人情報を、お問い合わせに対するご連絡以外の目的では使用いたしません。
※ ご記入いただいた個人情報は、当サイトで保有し、第三者に提供することはありません。
※ 当サイトの個人情報の取扱方針につきましては、プライバシーポリシーをご確認ください。
※ 財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)より個人情報の適切な取扱いを実施している企業であることを 認定する「プライバシーマーク」(Pマーク)を取得しています。
※ ベリサイン社のデジタル認証IDと暗号化(128bit)によって保護され、安全にお申込み頂けます。