新たな段階に入ったと考えましょう。

公認心理士 / ｽｸｰﾙｶｳﾝｾﾗｰ / 研修講師 / ｺｰﾁ 増田 進明

まずこれは学習に限りませんが、一般的に、幼い時ほど学習に集中して打ち込めても、年齢とともにだんだんとやる気が持てなくなってくるものです。

その原因はいくつかありますが、脳が成長して視野が広がったり、他の楽しみを経験したりしていくと、相対的に学習に対する理屈抜きにやろうと突き動かされるような感情は薄まっていくものです。

もともと学習が好きで好きで仕方がないといったレアなタイプだったり、なにか大きな目標があったりすれば話は別ですが、年齢とともにやる気は減っていくものと考えた方がいいと思います。

その段階に入ってからの学習法は、やる気で学習するのではなくて、工夫が必要になります。

やる気は基本的にもはや訪れることはなく、とりあえずやり始めていくうちにだんだんとやる気というか「その気」くらいには多少なるので、「いかにやり始める工夫をするか」が大切と考えて、自分という生き物が、とりあえず学習をやり始めるにはどのような工夫が必要か、といったアイデアを考え、実践するといった試行錯誤をしていくことが必要です。

自分の「意志の力」でなんとかしようとすると結局できずに消耗して自己嫌悪になるだけなので、なるべく無理なく自然にやり始められるような、自分に合ったアイデアが出せたらいいのですが、思いつかなかったり、やってみても効果がなかったり、効果があっても３日するとなくなってきてしまったりと、なかなかうまくいかないと思います。ですが実はその試行錯誤をする経験が新たな段階に入った人には必要で、そうしているうちに自分に合った「やり始め方」がわかってきます。

「家にいるとつい動画を見て学習できない」→　「家で学習は非現実的とあきらめて、図書館などで学習するようにした方がいい」→　「そうなると今度はいかに家を出るかを考える必要がある」→　「生活リズムを整えれば家を出やすくなる」→　「今度はいかに生活リズムを整えるかを考える必要がある」→　「スマートフォンなどのブルーライトは覚醒作用があるので、夜見ると寝付けにくくなるし眠りが浅くなってしまう」→　「しかし朝起きるときにはむしろ好都合で、眠気から覚めやすくなる」→　「そうなると、動画は朝見るようにした方がいいかもしれない」

…などなど、あえて雑然と、とりとめなく書いてみましたが、このように考えを巡らせていく（試行錯誤する）経験が必要です。
そして、これだけ考えただけでも、さまざまなささいなことがすこしずつ影響して今の「うまくいっていない状態」ができあがってしまっていることがわかるかと思います。生活のひとつひとつを見直していきましょう。そうすれば今の状態から抜け出して、じわじわと良くなってくると思います。


また、「やる気がでない」「朝起きられない」「ちょっとしたことでイライラする」といったことは、それだけで病的であるとは言えませんが、医療的な見立ても大切ですので、心配であれば心療内科やクリニックといったところにも相談した方がよいと考えます。
中にはすこし聞いただけですぐお薬を出しておきますね…といった医療機関もあるようなので、その点は気を付けて、医師との相性もあるので、いくつか通院してしっかり話を聴いてくれるところを探すくらいの気持ちで考えてみてください。

長文読んでいただきありがとうございました。

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回答日時：2018年1月19日(金) 14:36 JSTお礼のコメントを書く

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