ここまで進んだのですから後戻りはいけません

夫婦問題カウンセラー 村越 真里子

みみんさん、お返事お待たせいたしました。
ご主人の暴力にに悩まれ、離婚を決意されたのですね。
それなのに、また悩まれて、離婚の決意が正しいかどうか、迷われています。
これは、正しいとか間違いとかではなく、これこそがドメスティックバイオレンスのもたらす
後遺症と言っていいでしょう。

正直、人間同士の喧嘩は、言葉を発するので、ご主人もみみんさんとの夫婦げんかに
腹を立てたりされることもあると思います。
だからつい暴力になるということも、言い訳としてあるでしょう。
でも、自分から飼いたいと言った子犬が吠えるので殺してしまった・・・・なんて
心をもった人間のすることではありません。
最初はなんでも自分がほしいと言って手に入れて、気に入らないと暴力をふるったり
殺してしまうなんて、犬もみみんさんにも同じ事をされていると思いませんか？

それなのに、ご主人が天涯孤独だからといって、みみんさんが里ごころを出している場合ですか？
人間は悲しいかな、色んな環境の基に産まれ、不公平なこともあります。
でも、・・・だからこそ努力して、少しでも幸せになろうとするのではないでしょうか？
生まれながらにして天涯孤独という不幸な星の基に産まれたのであれば、なおさら人と人との
つながりを大切にします。
遠くの親類より近くの友人・・・と言うじゃありませんか？
孤独であればこそ、周りの人を大切にしないといけないのは、ご主人の責任ですることであり
みみんさんがカバーする事ではありません。
いえ、もっと言えば天涯孤独であれば、やっと自分の本当の身内、すなわちみみんさんという奥様を娶って、その人こそ大切にすべきです。
そのみみんさんに対しても暴力をふるうなんて・・・・・
親が早くに亡くなったのか、親に捨てられたのか。
もしかしたら、あまりの非行に走るや非情な人間は親からも見捨てられます。
ご主人の天涯孤独というのがどのような事情の事か、判りません。
でも人間は２０歳までは親の保護のもとで育てられ、何をするにも半分は親の責任です。
しかし成人すれば、その後の人生はすべて自分の責任です。例えどんな不幸な育てられ方をしたとしても、２０歳をすぎれば、自分で人生を切り開いていくこともできるのです。
ご主人は、それをしてこなかったと言えるでしょう。
孤独な人は自分から家族を増やしていくチャンスもあるのです。
ドメスティックバイオレンスの後遺症にハネムーン期のように、ご主人に対して情が出る時があります。
「この人には私が付いていないと・・・」という感情を妻はもつのです。
ご主人への憐れみは、実はこの症状だと認識すべきだと思います。
さて、これでみみんさんのご主人から逃げられない事の正体をお分かり頂けたと思います。

そして今から申し上げることは、みみんさんへの進言です。
少々耳に痛い事ですが、我慢して読んで下さい。

まずここで、DVとは少し種類が違いますが、今、いじめが問題になっています。
これは今に始まった事ではなく、昔からある事です。子供の世界でもいじめがあるから
大人になってもいじめがあるのです。正直社会人のいじめは、子供以上に陰湿です。
このいじめは、昔は「いじめられる方にも原因がある」と言われたものです。
私はこの意見はとても賛成できませんでしたが、こどもは学校という環境の中で、逃げられないという条件があります。
しかし、大人になってからのDVは、会社にしろ家庭にしろ、その人が選んだ環境です。
逃げることもできるという事です。
嫌なことから逃げたらだめだという考え方はあるでしょう。
でも私はそうは思いません。
子供の問題にしろ、どうしてもいじめから逃れたいなら、校区の関係しない私学に、転校すればいいのです。逃げるが勝ちです。
と、言う事でみみんさんにDVの原因があるとは言いませんが、もう充分、逃げる準備ができているにも関わらず、逃げないのはみみんさんの意思の弱さと言えます。
正直申し上げて、こういうみみんさんの性格をよく知るご主人だからこそ、付け込まれると
考えても良いでしょう。

私もこういう相談はよく受けますが、やはり、地域の関係各所の協力を得る事をお勧めします。
みみんさんは、もうすでにそういう所にご相談されています。
「区の女性相談や、警察の生活相談、アザの診断書入手、荷物のまとめ、避難の計画書を家族へ配布、など、離婚する気満々でした。」
誰に相談されても、やはり行政などのバックアップが必要になりますが、その準備はもう整ったと言えます。
あと、何が足りないかというとみみんさんの強い意志しかありません。
人生には自分の心を抑えてでも、やらないといけない事はあります。
そりゃ縁があって結ばれた人ですから、離婚には勇気が必要な事は理解できます。
しかし、もう走り出したのです。
車はアクセルとブレーキは一緒に踏めません。
一旦進むと決めたら、もう前を向くしかないでしょう。
関係各所のアドバイスを聞き、粛々と進めていってください。
このご主人とは幸せにななれないのですから。

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回答日時：2010年11月17日(水) 12:04 JST

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