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中学3年の娘について

ご相談者:40代/女性

 現在中学3年の娘の遅刻に悩んでいます。
中学に入ってから、学校に遅刻をすることが度々で、遅刻をしなくても時間ギリギリといった状態です。
目覚まし時計がなってもずっと鳴らしっぱなしで、私が起こしても起きようとしません。
8時近くになってやっと起きたかと思ったら、時間もないのにそれからのんびりとお風呂に入り始めたりご飯を食べたりします。
 最初の頃は、一度遅刻をさせて恥ずかしい思いをすれば気をつけるようになるだろうと思い、起こさずに私は仕事に出かけたのですが、それでもダメでした。
遅刻するとマズイという意識がないようで、たまに間に合うような時間に起きてご飯を食べても、支度もせずに又 寝てしまいます。
部活にも入ってましたが、休みの日の部活は朝早い日はもちろん、午後からのときでもいつも遅刻したり、大幅に遅くなったときは連絡もせず無断で部活をサボったりしてました。
 学校や部活のみならず、友達と遊びに出かけるときも待ち合わせ時間を守っていません。
とにかく時間にルーズで、私が何を言っても聞こうとしません。
 私の方が先に家を出るので、毎日 また遅刻しているんだろうかと気になりイライラしてしまいます。
どうしたら時間を守ろうという気にさせられるんでしょうか?

40代/女性 | 日付:2009年9月27日(日) 17:07 JST | 閲覧件数: 3,189

まずお母様ご自身が「困らないように」こころがけましょう。

公認心理士 / スクールカウンセラー / 研修講師 / コーチ 増田 進明

ご相談ありがとうございます!
内容読ませていただきました。

どうすればご息女が「時間を守る」という気持ちを持つようになるのか、ということですが、

まずは、なぜルーズなのかという原因がどこにあるのか、そのあたりをヒアリング(聴き出すこと)してみてください。
「遅刻をするとマズイという意識がない」ように見えるとの記述がありますが、
なぜマズイと思えないのか、様々な理由があると思いますので、それを聴きだした上で対策を試行錯誤してみるという流れが良いと考えます。


たとえば、
(以後は「学校に遅刻する」ということについて、仮定に基づいて話をすすめています。)
普段の学校には遅刻してしまっていても、
ご息女にとって大切なイベントがあったりするときはちゃんと時間に間に合う、という感じだったとします。


その場合は、普段の学校という存在に大した重みを感じていないといった原因が根底にあるために、遅刻という結果を生んでいると考えられます。

ヒアリングしていくうちにご息女からそのように読み取れたとしたら、

次に、
なぜ学校を軽視しているのかを、さらに掘り下げて聴いてみます。

学校は面白くない、先生も厳しくないから遅刻くらいだったら平気だと考えている、などといった反応が返ってくるかもしれません。

それらが判明してきたら、まずはいったん受け入れてみます。
「そうか、学校って面白くないって感じているんだね」という感じで、そのときはそれで終わりにしてしまうくらいでかまいません。

いったん間をおいてから、ご息女の遅刻の根本の原因がわかってきたわけですから、それに対してどうアプローチしていくかを練っていくとよいと思います。


アプローチの方法はご自身で考えてくだされば大外れはありませんが、ポイントは「自分が困らないようにする」ということです。

先生と生徒との関係でも、親子の関係でもありがちなのは、周囲の人たちが本人の問題に関してストレスを抱えているにもかかわらず、
肝心の本人は自身の問題の改善について、その必要性に気付いていないというパターンです。


うまく伝わるかわかりませんが、私は少年院の教官時代、担任の生徒が問題を起こすと、
「どうしたら良くなってくれるんだろう?」といった気持ちや、あるいは「自分の指導力不足だと思われやしないか」といった気持ちなど、
様々な感情に襲われ、本人はけろっとしているのに、私自身が勝手に困っていることがありました。

そんなとき先輩に、「このままで困るのは将来の本人であって、先生(私のことです)じゃないでしょ?」と言われたのがきっかけで、
そもそもの考え方を変えていったことで、徐々に気持ちのゆとりができ、不思議とその後うまくいくようになった経緯があります。



人の行動が改善する形として、大きくわけてふたつありますが、

ひとつは、
本人がこれは自分にとって意識して改善をこころがけないといけないことなんだ、という危機感を感じたときなど、マイナス方向の動機付けと、

もうひとつは、
なにか夢や目標ができて、本人がこれは自分にとって意識して改善をする価値があるんだ、という向上心を感じたとき、
あるいは好きな人や尊敬する人ができて「この人のために」という感情を得たときなど、プラス方向の動機付けです。


今回は前者についてお話しますが、
このままでは本人が困ることになる、と気付くことが大切ですので、そのためにまずはご自身が泰然とした姿勢をこころがけ、ご自身が困らないようにこころがけてください。
「困るのはあなただよ」という雰囲気作りを、露骨にならない程度に、それとなくするようにしてください。


現状ではお母様のご指導を軽視しているところが見受けられますので、なにか罰を与えるような手段を用いたとしても、
かえって裏目に出ることが考えられます。

よほどの決意・決断がお母様にある場合でなければ、強硬策はオススメできません。
(周囲に誰かリーダーシップを発揮できる、信頼できる協力者がいる場合は、その方の力をお借りすることは良いと思います)


普段から遅刻についてはいろいろと注意してきたわけですから、ご息女もお母様のお気持ちは知っているはずです。
先にご自身が家を出るときに、「遅れないように気をつけてね」と一言伝えるくらいで済ませ、
帰ったら「遅れてやしないか心配だったんだけど、大丈夫だった?」と聴いてみて、その反応についても、
「学校の先生にしかられたりしなかった?大丈夫だった?」という感じで終わらせる…

そのくらいでも本人にはちゃんと伝わっていると思います。


強硬策以外の方法となると、まずは受容的に関わりを持ちながら、本人にすこしずつ伝えていくことをしていくと良いと思います。
そうしていくうちになにかきっかけがあったりすると、行動が変わることもあります。


まとめますと、
まずはヒアリングをして、ご息女が時間にルーズであることの原因を引き出すようにしてください。
その後、その原因に対しての対策を練り、徐々に本人が「気付き」や「危機感」を得るように粘り強く、気長にアプローチをしていくことが
良いと思います。


ポイントとしては、ご息女の問題に対して、自分が困らないようにするということです。
「本人がどうなろうと、本人の自己責任だから!」と開き直った感じで考えてくれてもかまいません。
そのくらいの方がふんぎりがつくのであれば、その考え方を持ち込んでしまってもよいと思いますが、
一方でご息女の幸せを願っているのも事実なわけですから、それはそれとして、受容的に、気長にアプローチをしていってほしいと思います。


ちなみに私は少年院の教官時代、うまくいってなかった時期がありましたが、そのときは始業ぎりぎりで毎日出勤していました。
職場が5分で行ける距離だったのもあったので、さすがに遅刻はしませんでしたが、あと5分早く出勤することがどうしてもできなかったのです。

今思うと、ちょっとしたうつ状態だったのかな、とも思うくらい、知らず知らず職場を敬遠する気持ちを持ってしまっていたんだと思います。

その自分が、だんだんと職場に愛着を持つようになってからは、朝4時に起きて、5時に出勤し、他の先生方が来るまでの3時間のうちに
事務仕事を片付け、日中は生徒と接する時間をできるだけ多く確保する…という仕事ぶりができるようになりました。


なにかのきっかけで人の行動は変わったりもします。
先に挙げたような形でそれとなくアプローチをしていくことをしていけば、
徐々に時間を守ることの意識付け、つまり行動の変化の下準備ができあがりますので、
まずはお母様が困らない程度に、明るく構えることをこころがけてみてほしいなと思います。

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回答日時:2009年10月 5日(月) 01:56 JST

お忙しい中、ご回答ありがとうございました!
毎日 朝起きた瞬間から、又 遅刻していくんだろうかと憂鬱な気持ちでいましたが、私が神経質になっていることがかえって良くなかったのかもしれません。
 先生のおっしゃったように、原因をヒアリングし、ゆっくりと改善策を考えていきたいと思います。
 私も少し気持ちにゆとりが持てるようにしていきたいと思います。

| 40代/女性 | コメント投稿日:2009-10-05 |

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