ない袖は振れぬが悲しい現実。支援するか、見限るかの岐路かもしれません

松下 豊太郎

ご相談を法的視点で整理すると次のようになります。
感情的な視点、人生相談的視点とは違ってくることをご理解ください。

○事実確認
(1)夫婦間の生活費の負担は｢相互扶助｣が基本で、夫が負担するという定めはありません。
したがって、夫の稼ぎが少ないから、妻が負担した部分を夫に当然請求できる法的根拠はないといえます。

(2)前妻との子へに対する養育費は、子に対する父親の責任です。ところで、ご主人が月額6万円で合意されたのは、支払いができるという前提だと推測します。

(3)おたずねの「ない袖は振れぬ」は、悲しい現実です。裁判に勝っても裁判所は集金してくれません。相談者さんがお考えの離婚に伴う請求、前妻と子の養育費いずれにも当てはまることです。

○現状分析
(1)ご相談文からご主人は｢自己主張ができない、責任感に欠ける｣方のようです。調停時の養育費も、支払える金額でないとわかっていても合意しておいて、実際には支払わないのが実態ではないでしょうか。

(2)多くの亭主族はリストラ、不況の嵐の中「家族のため」歯を食いしばって頑張っている。その姿を見てる妻や子は｢頑張ってるパパを応援しよう｣として家族の絆が深くなる。いわゆる｢貧しくとも笑顔のある家庭｣には希望の火が灯ります。

○対応策
(1)離婚する場合、しない場合、いずれにしても相談者さんが今後の生活設計をどうするかを具体的に考える岐路だと思われます。また、現状は、離婚に際し請求はできても、夫に支払能力があるとは考えにくい状況のようです。

(2)夫を今後も支え続け支払能力を回復させるか、夫を見限って「母子で貧しくも笑顔のある家庭」を築くか、この決断をする時期かもしれません。

(3)相談者さんがどうするかを決断し、具体的な対策や手法を法的な側面、精神的な側面で必要な専門家に早めに相談されるようおすすめします。

(4)当事務所でも対応できることもありますが、行政書士会で最寄の離婚関係に詳しい方の紹介を受ける選択肢もあります。
岐阜県行政書士会　電話058-263-6580　 http://www.gifu-gyosei.or.jp/

いずれにせよ、現状がスムースに打開できますよう願っております。

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回答日時：2010年2月14日(日) 13:27 JSTお礼のコメントを書く

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