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国外の子供に送金した場合の課税関係

ご相談者:50代/女性

贈与税についてお伺いいたします。
オーストラリアに住む長女夫婦に住宅資金として1000万送金した場合贈与税はかかりますか?
二人とも日本国籍でオーストラリアに永住権があります。3年ほど住んでいます。

50代/女性 | 日付:2008年7月 7日(月) 00:22 JST | 閲覧件数: 3,021

国外の子供に送金した場合の課税関係

巻幡 直美

はじめまして、税理士の巻幡です。
遅くなりまして大変申し訳ありません。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

お尋ねの件について私の考えをお伝えいたしますが
あくまでも私一個人の見解ですので、
実際に実行される場合にはご自分でご確認、ご納得の上
実行されますようお願い申し上げます。

国外に居住の娘さん夫婦に住宅資金として1,000万円を贈与した場合、
非居住無制限納税義務者に該当すると思われますので、
相続時精算課税制度を選択すれば贈与税はかからないと考えます。

そのためは適用要件の確認、
手続き等が必要となります。

以下
国税庁のHPの抜粋です。

No.4138 相続人が外国に居住しているとき
[平成20年5月1日現在法令等]

相続税の納税義務者の範囲等
Q
 相続税の納税義務者の範囲等は、どのようになっていますか。

A
1 無制限納税義務者

(1) 居住無制限納税義務者
 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において日本国内に住所を有するもの。

(2) 非居住無制限納税義務者
 相続又は遺贈により財産を取得した日本国籍を有する個人でその財産を取得した時において日本国内に住所を有していないもの(その個人又はその相続若しくは遺贈に係る被相続人(遺贈をした人を含みます。)がその相続又は遺贈に係る相続の開始前5年以内のいずれかの時において日本国内に住所を有していたことがある場合に限ります。)。

2 制限納税義務者
 相続又は遺贈により日本国内にある財産を取得した個人でその財産を取得した時において日本国内に住所を有していないもの(非居住無制限納税義務者に該当する人を除きます。)。

3 特定納税義務者
 贈与により相続時精算課税の適用を受ける財産を取得した個人(上記無制限納税義務者及び制限納税義務者に該当する人を除きます。)。

(参考) 相続税の納税義務者別の納税義務の範囲について

イ 無制限納税義務者(居住無制限納税義務者又は非居住無制限納税義務者)の場合
 国内財産、国外財産及び相続時精算課税適用財産

ロ 制限納税義務者の場合
 国内財産及び相続時精算課税適用財産

ハ 特定納税義務者の場合
 相続時精算課税適用財産

(注) 上記の相続時精算課税適用財産とは、被相続人から贈与により取得した財産で相続税法第21条の9第3項の規定の適用を受けるものをいいます。

(相法1の3、2、21の9、21の16、相基通1の3、1の4共-3)


No.4103 相続時精算課税の選択
[平成20年5月1日現在法令等]

1 制度の概要
  贈与税の課税制度には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する場合には、相続時精算課税を選択することができます。この制度は、贈与時に贈与財産に対する贈与税を納め、その贈与者が亡くなった時にその贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めたその贈与税相当額を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税を行うものです。

2 適用対象者
  贈与者は65歳以上の親、受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の子(子が亡くなっているときには20歳以上の孫を含みます。)とされています(年齢は贈与の年の1月1日現在のもの)。

3 適用対象財産等
  贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません。

4 税額の計算
(1)  贈与税額の計算
  相続時精算課税の適用を受ける贈与財産については、選択をした年以後、相続時精算課税に係る贈与者以外の者からの贈与財産と区分して、その贈与者(親)から1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額を基に贈与税額を計算します。
  その贈与税の額は、贈与財産の価額の合計額から、複数年にわたり利用できる特別控除額(限度額:2,500万円。ただし、前年以前において、既にこの特別控除額を控除している場合は、残額が限度額となります。)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて算出します。
  なお、相続時精算課税を選択した受贈者(子)が、相続時精算課税に係る贈与者以外の者から贈与を受けた財産については、その贈与財産の価額の合計額から暦年課税の基礎控除額110万円を控除し、贈与税の速算表に定める税率を乗じて贈与税額を計算します。

(注) 相続時精算課税に係る贈与税額を計算する際には、暦年課税の基礎控除額110万円を控除することはできませんので、贈与を受けた財産が110万円以下であっても贈与税の申告をする必要があります。

(2)  相続税額の計算
  相続時精算課税を選択した者に係る相続税額は、相続時精算課税に係る贈与者が亡くなった時に、それまでに贈与を受けた相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の価額と相続や遺贈により取得した財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めた相続時精算課税に係る贈与税相当額を控除して算出します。
  その際、相続税額から控除しきれない相続時精算課税に係る贈与税相当額については、相続税の申告をすることにより還付を受けることができます。
  なお、相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の価額とされています。

5 適用手続
  相続時精算課税を選択しようとする受贈者(子)は、その選択に係る最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間(贈与税の申告書の提出期間)に納税地の所轄税務署長に対して「相続時精算課税選択届出書」を受贈者の戸籍の謄本などの一定の書類とともに贈与税の申告書に添付して提出することとされています。
  相続時精算課税は、受贈者である子それぞれが贈与者である父、母ごとに選択できますが、いったん選択すると選択した年以後贈与者が亡くなった時まで継続して適用され、暦年課税に変更することはできません。

(関係法令等 相法21の2、21の5、21の9〜16、28、33の2、措法70の2、相令5、相規10、11)

参考: 関連コード

4102 相続税がかかる場合

4155 相続税の税率

4402 贈与税がかかる場合

4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

4503 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の特例(相続時精算課税)

4505 特定同族株式等の贈与を受けた場合の特例(相続時精算課税)


以上
ご確認いただき、ご参考にしていただければ幸いです。

                      巻幡直美

回答日時:2008年7月12日(土) 09:51 JSTお礼のコメントを書く

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