名探偵 村越真里子

天高く・・・私、肥ゆる秋

この頃は夜も長くなって来ましたので 前から読んでみたかった本を読みました。
実は この本は 私の相談業でもとても参考になる内容です。

死体は語る現場は語る (単行本)
上野 正彦 (著), 大谷 昭宏 (著)

カウンセリングという仕事は 相談者の心を読まなければなりません。

相談者の言葉は必ずしも 事実は一致しません。
それは カウンセラーに対して 嘘をつく人もいます(少数ですが)
次に 自分の心を自分で判っていない人もいます。
それと同時にパートナーの心も判っていない場合もあります。
こういう人から パートナーの情報を聞いても 事実と一致はしません。

しかし夫婦2人で ご相談に来られる方はまだ、いいのですが
たいていの場合 どちらか一方になりますので パートナーの心が読めなくて
問題がおきている場合や パートナーに欺かれて 間違った事を信じ込まされている場合があります。
そういう相談者は たいてい純粋で パートナーを疑る事は 罪悪だと感じている人です。
だからそうした人からの口から出る言葉は ともすればパートナーの賞賛であり
問題がおきた原因は 自分が悪いのでは・・・・と自分を責めています。

これは 私は「そんなに自分を責めないで」と 言いますが そこには根拠のなる問題原因を
示すことが出来ないので とりあえず その原因を追究していく作業に入るわけです。

そこで判ってくる事実は とても残酷な事であったりします。

でも 問題は 事実を知ることからでしか 解決できないのです。

そして 私はこれまでの経験上、お話しをお聞きしていると 半分くらいまで来ると
皆まで言わなくても 相談者がどのようなタイプかは判ります。

「あ~この人は 夫(妻)に騙されているな~」と感じるのはたいていパートナーに浮気をされている場合です。
(今回の話題は 「性格の不一致」や「価値観の違い」による不仲問題は除きますね)

そこで 夫婦がしっくり行かなくなり原因は何かが判らなくなって、当方へ相談に来られるわけですから
要は現実が見えなくなっているのですね。

そこで 現状をお聞きし 詳しく分析する事から始めるのですが 中々 にわかには信じられないことばかりが
出てきて 動揺されるので、中には 男性でも大泣きをされる方がおられるので 私は事前に相談者に
次の事をお聞きするようにしています。

「問題を解決するには現実に蓋をしていてはいけません、例え残酷な答えでも現実を受け止める勇気はありますか?」と。

そこで頂く答えは 2つです。
「じゃ、また考えます」という方と「覚悟を決めて 現実に立ち向かいます」という事です。

当然 解決に至るのは後者の方だということは お判りいただけると思います。

しかし 私も この時が一番 辛い作業です。

何故なら 私と2人で話をしている時は 慰めも出来るのですが 必ず一人になる瞬間や夜になると
辛いだろうな~と思うからです。

でも 大丈夫ですよ・・・・・朝の来ない夜はありませんから。
と、ここで話を元に戻しますが 先に紹介した本ですが 面白いです。

夫婦ででも 判らない謎の部分はありますよね。
そんな時の事実を観察する考え方などには とても参考になります。

どんな内容かといいますと 死体はすでに物言わぬ人です。
しかし その死に様や いろんな痕跡が その死亡に至った履歴がわかるのです。
いえ もっと言えば その人の生きてきた道すら判る場合もあるのです。

そこで 少し 今回のコラムは 殺人の死体から 真実を見るという物騒なテーマですが
これが意外と夫婦の間の謎解明にも役立ちますから、少々 お付き合いを願います。

例えば・・・・・刑事ドラマを想像してみてください。

ここに死体がありました。(いきなりですいません)
明らかに他殺ですがそこには犯人はいません。

でも呼ばれた刑事は遺留品や 殺害方法 凶器が当った箇所などで死因と人間関係を推し量るのです。
そして そこから交友関係をたどって行き、死亡推定時刻の行動と 犯人のアリバイとの共通性を特定し
推理 断定していくのです。

まず その断定があってこそ 次の段階へ進めるのです。

ここでまた 夫婦の話題に戻しますが この本で言う 「断定」とは 逆に いろんな想定を白紙に戻し
「疑う」という事をします。
「疑う」という事は if と言って もしやの意味なのに 「断定しろ」と言いながら イフとは矛盾しますが
要するに全ての先入観を無くし 今まで思っていたことから 一旦 考えをはずし 「チョット待てよ」と疑う事から仕切りなおしをするのです。

なぜなら 先入観というのは 期待とその人の経験則でしかないからです。

例えば この殺害された人間が 長男で 発見したのが母親で 逃走しているのが次男だったとします。

母親にとっては 長男が殺害された事はもちろんショックですし まして犯人がその兄弟の次男であることなんて
はなから信じられず否定します。何故なら 肉親だからです。長男も次男も愛しているからです。

でも 刑事は肉親ではありませんから 「情」を絡ませず シビアに分析して行くことが出来るのですが家族はその渦中にあるだけに 希望ばかりで 本質が見えません。

これが夫婦の間にも言えるのです。

よく 帰りの遅い夫に 疑いを持ち 夫婦喧嘩をしますが あれは逆に喧嘩ではありません。
妻にとっては まさか浮気じゃないだろう・・・・いやそうであって欲しくないと希望的観測からの
お願いであって 話し合いでも 何でもないのです。

夫も そういう妻の願いを知っていて 妻の望むような答えを言うのです。
(もちろんバレテも困るという心理も当然ありますが・・・・)

そこで 夫に浮気を否定されて 妻は ある意味安心するのです。

だから残業と証して 夜が遅くても 「仕事を遅くまでしてくれているのに疑った私は酷い妻だ」と反省したり
外泊されても 「タクシー代が不経済だから 会社に泊まった」などの いい訳に平気に騙されるのです。

そしてその後 色んな事が発覚し 「裏切られた」「騙していたのね?」となりますが、それは 場合によっては
妻が嘘を付かせている・・・という解釈背出来るのです。

この「死体は語る」という本は そんなことを 私に教えてくれました。

つまり 話をするから 嘘もつけるのです。
責めるから 逃れたくて 約束をするのです。
そして約束をさせるから 約束を破られるのです。

もっと言えば 声が出せるからいい訳をし 裏切っているのを知っているから
夫は話し合いをしたくないのです。

よく このような夫婦相談の仕事や 悩み相談の新聞での回答を読んでいると
「夫婦で よく話し合ってください」と 書いてありますが 私は これは 時と場合によると思います。

真実を知りたいときに 疑わしいのなら 「本当の事を言って」と言っても 相手はいうはずがありません。

それなのに 「話し合いですべて解決する」と勘違いをされている方がいますが 問題発生時の
初期の頃なら いざ知らず夫が外泊や明け方に帰宅するのが続いていたら それはもう話し合いの時期ではないでしょう。 

その時には どうしたら良いか?

夫をじっと黙って観察して見てください。

言葉は嘘を着けても 行動は嘘をつけません。

つまり 普通の仕事をしている人は それだけ残業が増えていたら 給料が増えてます。
管理職なら 時間でカウントはしませんが 管理職手当てでは ボーナスも増えているでしょう。

また休日出勤がとても増えて 休みの日も家にいない人は 代休があったり 休日手当てなどでも
お給料に反映されるでしょう。

でも ギャーギャー話しをするから 「会社の業績が悪く給料も下がった」などと言われるのです。

確かに 最近は 不況でボーナスカットの会社もありますが それはよほどの場合です。
そう簡単にボーナスカットすると 住宅ローンでボーナス払いの在る社員から 暴動がおきますよ。

そしてそこまで業績が悪い会社は 何らか文書で知らせてきますが 相変わらず 株も下がっていなければ
社員のボーナスまではカットしないはずです。

意外と このボーナスが夫のお遊びに回っている時が在ります。

どうぞ 世の中の奥方様達!
ちょっと 黙って 静かに夫の行動を見ましょう。

心は行動に表れます。
真実は 形に現われます。

そんなに 不安であれば じっと目を凝らしてみていれば 見えてくるものがあるはずです。

物言わぬ死体こそが語りかけてくれるというテーマは こんな事を気付かせてくれる本です。

一度 興味のある方は ご覧になって、いつも「辛い、悲しい」と嘆くばかりじゃなく 事実を見る目を養ってください。

だって 夫婦の間には 「真実」しか必要ないのですから・・・・・・・。

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