示談書、和解書の効力について

大塚　大

ご相談ありがとうございました。

早速ですが、ご質問の内容は、示談書、和解書にかぎらず契約書全般に
関わる事項のご質問かと思いました。

1.甲乙ともに署名、捺印をしたところから発生するという解釈
でよろしいでしょうか？

：署名捺印は重要ですが、契約の効力自体は、その書面に記載の日付があれば
その時から、となります。

2.書面を交わした後に不法行為や不履行などがあった場合、
罰するまたは罰せられるという事になりますでしょうか？
（書面に罰する規定は盛り込まれておりません。）

：契約違反があれば、別途債務不履行になりますし、不法行為があれば
民事上、刑事上の責任が発生します。不法行為については、規定に
盛り込まれていなくても、民法や刑法の規定で判断されます。

3.書面の契約を一方的に話が変わったなどと言ってくるのは
おかしいですよね？
これについては取り消し不能という解釈でよろしいでしょうか？

：契約は、取り決めをあとから変更しないためにするものですから、
あとからの変更は原則できません。
もちろん、例外はありますが。

4.公正証書は効力が高いですが、これらの書面はどれだけの
効力がありますでしょうか？

：公正証書が事実を明確にしたり、場合によっては、裁判の手間を
省く場合がありますが、それによって最終的にすべての契約内容が
実現できるわけではありません。
もちろん、相手方が同意するのであれば、公正証書にすることを
おすすめします。

5.甲乙どちらかが虚偽の住所などの記載があった場合は
どうなりますか？無効ですか？

誰がその契約書の当事者か、という特定が重要です。住所地が
違っていても、甲や乙が特定できるのであれば、無効と判断されることも
ないと考えられます。
全くありえない住所だったりしますと、契約書の信憑性にもかかわって
くるかもしれませんので、そういう場合は、そもそも合意があったのか？
ということからして疑問が生じますので無効になる可能性もあるかも
しれません。

6.書面の各条項に記載が無いが、民法、刑法などに触れた場合は
どうなりますか？

契約書面は、各法律を前提に作成されます。契約書に特定の法律の
規定の適用を排除するような条項がない限り、民法や刑法が適用されます
ので、記載がなくてもこれらの法律が適用されます。
もっとも、商事関係であれば、民法に優先して商法、消費者関係であれば
消費者契約法などの法律が適用されます。

回答日時：2012年4月 8日(日) 07:23 JST

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