自分がバイセクシャルであることに、最近気づきました（現在２３歳）。
「マイノリティ」という立場になったことに恐怖を覚えています。
これまでも「もしかしたら…」と気にかかることがあったのですが、「まさか」「そう思い込みたいだけだろう」と自分に打ち消していましたが、とてもそんな言葉で自分の気持ちを誤魔化せないことに気づきました。
自分が「そう」だと知った瞬間、「なんで」という絶望的な気持ちが襲いました。私は自分がマイノリティであることを恐れる、非常に臆病な人間です。私自身は、以前から、同性愛者には嫌悪感も何も抱いていず、どちらかというと同情的でした。当たり前ですが、今もそうです。でもそれが自分のことになると、泣きたい気持ちでいっぱいです。
身近の誰にもこの悩みを相談できません。家族はそれを望んでいないからです。

反応を見るため、最近、母親にそれとなく「あのテレビに出てる○○って芸能人、ゲイなんだよ」と言いました。そしたら母は露骨に嫌な顔をして、「気持ち悪い」と言いました。
私は頭が真っ白になりました。涙がぼろぼろ出てきて、顔を見られないように部屋へ篭もりました。
ショックでつらくて、私は生きている意味があるんだろうかと絶望しました（短絡的で幼稚でお恥ずかしいのですが）。
元々母の、保守的で偏見的な人格をあまりよく思っていなかったのですが、このことが決定的で、本当に私は望まれていないのだと思ってこの世から消えたくなりました。母はおおむね全体的に見れば良い人で、良いところもあると知っているので、普通程度の親愛を抱いていました。
ですが、今は、こんなふうにもう心に疎隔が生じて、もう世界にたった一人の気がします。でも分かっています。どんな人間でもひとりぼっちで、自分の悩みは自分で癒していくしかない、そのことをこの年になってようやく本当に分かった気がします。でも生きるのがつらくなります。「子供を作れ」「人間は子供を持ってはじめて一人前なんだ」「それが当たり前の生き方なんだ、それができなければ晩年の人生は寂しい」って、当たり前みたいに言われるのもつらいです。もし私が本当に好きな人と結ばれたら、二分の一の確率で子供は授からないからです。そんなふうに私の出来ないことを出来て当たり前で、出来なければ『本当に』幸せになることは出来ない、と言われるのが、苦しくて悔しくて、もう誰もいない無人島にでも行って一人で暮らしたいとほんとうに願うまでになっています（上記のような言葉を信じているわけではありません。でもそう「言われる」のがつらいのです）。
運の悪いことに、そのうえ最近長年の友人に自分の好きなものを真っ向から否定されるということが立て続けにあって、そのことでも憂鬱な気持ちになっています。

そして、私の好きな人（私が両性愛者であると決定的に気づいた相手）のことが一番問題です。
最近分かったことなのですが、彼女は、恋人に妊娠させられ、「中絶してくれ」と言われ、中絶していました。そして中絶した後もその恋人に再び妊娠させられ、今度は流産しました（その恋人がずっと二股をかけていたことに最近気づいたそうです）。流産の原因は、最初の中絶が原因で精神的に追い詰められ、拒食症になり、眠れない日が続き、それで流産してしまったそうです。
私は頭を鈍器で殴られたみたいに感じました。
私は元々人工妊娠中絶に反対で、殺人と何ら変わりないと思っていました（今もそうです）。
そして、彼女のことが好きなのに、そこまで苦しめられて追い詰められていた彼女のことに気づいてあげられなかった自分が悲しくて悔しくてどうしようもないのです。

かつて彼女がひどく痩せてるのに気づいた私は、一緒にご飯を食べたり、景色のいいところへ一緒に散歩へ行ったり、カラオケにいったり、すこしでも彼女が元気になるように、悩みがあったら話してくれるように言いました。彼女も私といることで癒される、私といると普段食べられないご飯も食べられる、と話してくれて、私は恥ずかしいことに、その言葉ひとつひとつに喜びを感じていました。
彼女がその男性を愛し、付き合っていることを私は知っていて、そのことが悔しくて私は敗北感に苛まれたのですが、その男性を私も（当時は）深く尊敬していて、その男性になら彼女を安心して任せられるとの思いから、自分の気持ちは言わずに彼女の恋を見守ろうと決心していました。ですが、私の目は節穴でした。そんなふうに彼女に二度も自分の子供を失わせて傷つけるようなことをする人間だと気づかずにのうのうと彼女の恋を応援していた自分が馬鹿で哀れでみじめでした。

そして彼女にも怒りが沸きました。自分の子供を殺すようなことをして、その上さらにその男に妊娠させられる、彼女の愚かさに憎悪が沸きました。なにも殺さなくても、生んでいれば、ここまでつらい思いはせずにすんだのに、その男性の身勝手な希望に従って自分の子供を殺した彼女を蔑んで見下す気持ちが湧きました。怒りと憎しみと後悔でいっぱいになって。彼女はそんなつらい思いをしていたのに、私に話すことが無かったのです。そのことも酷くつらいです。
彼女が生んだ子供なら、私の子供も同然な気がしていました（馬鹿なことだとわかっています）。今でもそんな気持ちがします。彼女の子供なら、私の子供までいかなくとも、私は自分の子供のように愛しくて、母親になった彼女の姿をいっそう愛しく美しいものに見ていただろうことが、虚しいことながら、想像されます。彼女は私が抱きしめることの出来る（予定だった）子供を殺したのです。
そんなふうに憎くて罵りたいような気持ちのいっぽうで、「自分が気づいていれば」と、自分は悪くないと分かっているのに責める気持ちが沸いてきて、苦しいです。

あと、私は、そんなふうに彼女を傷つけた男性と同等の気持ち（恋愛感情・欲望）を抱いていることに嫌悪感で最悪な気持ちになります。連中（彼女は可愛いのでもてました）と同じように、結局私も彼女を自分の欲望に従わせたい気持ちでいっぱいなのです。憎みながら、蔑みながら、それでも好きで、自分のものにしたい気持ちがむくむく沸いてきます。かといって、彼女のこれからの人生を一緒に支える覚悟ができるほど愛してはいないのです。
お笑いぐさです。私の愛情とはその程度の軽い薄いものなのです。日常生活で気づくと思い出していて、ぼうっと彼女のことを考えて、抱きしめたいと思う（もっと生々しい、色々なこともしたいのです）。でも定期的にデートをするとか一生彼女を支えるとか、そういうのは自分が縛られるようで重くて嫌なのです。ほんとうに醜いと思います。恥ずかしいです。
こんな薄っぺらい気持ちの人間（しかも同性）に、「好きだ」と言われて彼女が得することは何もありません。だから言うつもりもありません。
でも時々言いたくなります。自分が楽になるためだけに、多くのことで傷ついている彼女の気持ちも考えずに、「好きなんだけど（笑）」と軽い気持ちで囁きたくなります。恋で傷ついている彼女が、さらに同性から「恋している」と言われ、「気持ち悪い」と感じ、さらに悩みを増す。そんなことがあっちゃいけないし、告白なんてするべきじゃないと分かっているからしません。私の最後の理性です。
憎んでいるくせに好きだなんて、自分がわからなくなります。自分が嫌になります。ほんとうに自分が馬鹿に思えてきます。偽善の塊です。

こんな悩みを話せる相手は私の周りにどこにもいません。孤独ばかり感じています。いい友人は沢山いて、私は恵まれた幸せな人間だと分かっています。でも孤独です。こんな私の気持ちを話せる人はどこにもいません。自分がマイノリティだと知られたくないです。
何より私の母は同性愛者の切実な苦しみや悩みを聞いても、「気持ち悪い」と切り捨てるような人間です。
世界が私を望まないなら、もう知らない、消えてしまえ。そう思うことが度々あります。それが馬鹿な考えだと分かっているから、私は自殺なんて絶対しません。私は、今は無力な馬鹿な学生でも、いつかは世のため人のために働く人間になりたいと強く思っています。
でもほんとうに自分が必要ないように思えて、孤独で、ひとりぼっちで、誰にも話すことは出来ません。「気持ち悪い」と言われたのが、思い出すたび涙が出ます。たぶん生涯忘れることはできないでしょう。親には、歓迎はされなくとも、消極的にでも受け入れてもらいたかった。
赤の他人とはいえ、そういう人たちを、「気持ち悪い」の一言で切って落とせる人間に、私はもう今後ぜったいに何も言うつもりはありません。言いたくありません。どうしてそんな人に自分の弱みを曝け出せるでしょう。つらいです。ひとりぼっちです。私を否定されるのはいやです。悲しくてつらくなります。
これからも延々と自分を苦しめるだけの恋を、これからもずっと背負っていかなければならないと思うと、暗澹たる気持ちになります。彼女はずっと自分の子供を殺した負い目と自己嫌悪と悲しみを背負って生きるのです。それが悲しくて悔しいです。こんな制度（妊娠中絶）があるのが間違っています。世の中を恨みたくなります。

めちゃくちゃな文章ですみません。吐き出したかったのです。
「ひとりじゃない」と思いたいです。
ほんとうに私は独りです。誰かといても独りな気持ちでいっぱいです。
乱文失礼いたしました。

| おくみどり / 20代 | 女性 | 2013年5月22日 00:26 JST |