真相よりも真意を知るべき。

夫婦問題カウンセラー 村越 真里子

　Ａ男さん、深夜遅くにご相談メールが届きまして、さぞかしお悩みになられ、眠れぬ夜をお過ごしになっておられるのだろうな、と思いました。
伴侶の浮気というのは、知った時は誰もが足がすくむというか、膝から崩れ落ちそうになる思いを味わいます。
私なども若い頃、元夫の浮気を疑いつつ、それなのに元夫を信じたくて、自分自身で浮かんでは消える疑惑に苦しんだ事を昨日の事のように思い出します。
その頃私には相談という頼れる相手が何人かいましたが、それは私が女性だからです。
普通男性は中々悩みは相談出来ないですし、愚痴もみっともないと考えがちです。
だから、それだけに男性って自分一人で抱え込んでしまい誰にも相談できず苦しむのだと思います。

でも、もう私に相談して下さったのです。
前を向いていくっきゃない。
残念ながら、私は耳に優しい慰めは言いません。
逆にＡ男さんには厳しい現実もお話しないといけません。
そういう意味で、少し腹を括ってお読み下さいね。

まず最初に、奥様と今後夫婦修復をすることと、奥様の浮気問題とは少し別の物だとお考えください。
どなたも私へご相談をされる時に「パートナーが浮気をしました、どうしたら夫婦が元どうりになれるでしょうか？」と質問されます。

この気持ちはとてもよくわかるのですが、人は浮気問題と夫婦修復と同じ問題に捉えていますが、別問題と言うより、順番があるという事です。

まず、奥様の心の中に誰か思う人がいる場合、いくらＡ男さんが呼びかけても胸に響かないのです。
奥様の気持ちを取り戻したくて、Ａ男さんが自分の悪いところを改めると言ったところで残念ながら奥様の目はＡ男さんを見ていないと言えるのです。
ですから、夫婦修復の為に、自己アピールをしてみても、奥様には届かないという現実があります。
これは、この村越だけの手法だとお考えいただいて結構なのですが、　他の心理的な向き合い方を推奨されるカウンセラーの先生方とは逆説になります。実は起きている事象の段階によっては、対話方法や向き合う姿勢などだけでは、どうにもならない事をたくさん見て来ての私の結論でもあるのですが「気持ちで訴えるだけでは何も変わらない」というのがこの浮気問題です。
物事には気持ちで訴えたり、誠意を見せて相手が理解してくれることと、実際にアクションを伴う努力をしなければ、何も変わらない物があるのです。

もし、夫婦の不仲の原因がお互いの言葉遣いや、ボタンの掛け違いのような、ちょっとした誤解であれば、お互いが納得するまで話し合うという対話方法を取ればいいわけですし、じっくり理解してもらえる方に、時間を掛けて、向き合えばいいと思うのです。
しかし、現状は奥様の心の中には、夫という存在が重要視されていない今、Ａ男さんとの対話
は、むしろ避けたいと思っているはずです。
女性の浮気は男性の浮気と違って、よく本気になると言います。
確かに男性は女性と違い、風俗相手に愛情が無くてもセックスできるように、性欲が基本にあります。
しかしそれに対し、女性は心の中には一人しかと入らないと言う、狭いキャパしかなく、一人を愛するような仕組みになっています。そこには最初はセックスを目的としていないから、ハートの部分から入り、肉体を伴う付き合いへ発展します。
ここが男性と違い、セックスをする段階まで発展していると、それは心まで持って行かれているという事で、女性の浮気は本気になると言われる所以です。

そういう事で、こういう浮気問題で夫婦仲が悪化している時は、まず最初に奥様の心の中から
浮気相手の男性を排除しておかないといけません。
要は、一人しか入るスペースの心の中に、余所の男性が居たのでは、Ａ男さんが入るスペースがないのです。

だから、夫婦修復と鬼退治は別の仕事だという事です。

夫婦の亀裂
　　⇓
浮気に走る
　　⇓
浮気発覚
　　⇓
夫婦修復

こういう方程式はあり得ません。
しかし多くの相談者が陥る勇み足なのですが、浮気が発覚したから、その原因になった事を反省し、夫婦関係をやり直したいと望むのですが、やはり心の中に浮気相手という邪魔者がいる限り、夫の声に耳を傾けはしないという現実があります。


そうなるとまず、先にしないといけない事は奥様の浮気を終わらせておかなければならないと言う事です。
そして浮気相手の男性の存在を奥様の心の中から追い出して、その後、奥様と修復作業をと言う作業に移るのです。それが下記のような行程です。

夫婦の亀裂
　　⇓
浮気に走る
　　⇓
浮気発覚
　　⇓
浮気相手の排除
　　⇓
夫婦修復

皆がこの「浮気相手の排除」という行程を省き、いきなり夫婦修復を望む為、
奥様に話し合いで解決しようとしがちです。
でも、この段階で奥様は話し合いなどはしたくはないため、拒絶された感じに打ちのめされてしまいます。

やはり「鬼退治」は省けない事だと思います。
夫婦がこれから、仲良く出来るかどうかは、正直分かりません。
何故なら、浮気相手を排除したところで、浮気前の夫婦の段階に戻るからです。
そこに夫婦が不仲になっていく原因があるなら、やっとそこに立ち戻ってやり直しをしなければなりません。
本当の問題はそこにあるのです。
だから、修復と簡単に言ってもそんなに簡単な作業ではないのですが、それほど簡単な作業じゃない上に、浮気相手が奥様の心の中に陣取っていては、修復なんてかなうはずがないという事をご理解してもらえましたか？

では次の課題です。
よくあるのは、例えば浮気相手と別れさせるような強硬手段を取れば、妻が益々夫の自分を嫌うのではないかという不安に駆られます。
確かにそうです。浮気相手と現実に別れさせるというような事をすれば、奥様のご機嫌がいいはずはありません。
でも、このまま野放しにして浮気を制止しなければ、どうなるかと言えば、何も変わらないだけならまだいいのですが、最悪の場合離婚になる事もあるのです。

時々「様子を見る」というような言葉を聞きます。これは事の成り行きに任せるという事は、運だけを神頼みするようなもので、この浮気問題においては、様子を見ると言うのは、何もしないという事と同じです。
事、この浮気問題で何もしないでいるという事で、問題が好転したという例は殆どありません。

では、どうすればいいかというと、ケースバイケースで一言では言えないので、ここはもう少し膝を突き合わせてご相談したいと思います。

いろいろご不安だと思いますが、抵抗せず指をくわえているだけでは、益々奥様になめられます。ここはひとつ、男になって奥様を奪還しなければなりません。
とは言え、男同士で殴り合えと言うのではありません。
よく、「荒立てたくない」という事をおっしゃいますが、その通りです。
普通、男同士で張り合えば、喧嘩をするしかなくなります。
でもこういう事は、出来れば水面下で、合法的に静かに成功させたいものです。

奥様の気持ちの真相は？と問われていますが、今のところＡ男さんに本音で向き合うつもりはないというか、まだその段階には至っていないので、話し合いという手法はますます相手を追い詰める事になります。
何でも話をすればいいという物ではないという事です。

辛い話ですが、「話せばわかる」というのは嘘です。
また、誠意をもって訴えかければ妻は分かってくれると思いたいでしょうけれど
これもまた、残念ですが理想論としか思えません。

浮気問題と、一般的な対人関係とはその対処法が全く違うと知って下さい。

ここから先が個人的な作戦になりますから、非公開相談で取り組みましょう。

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回答日時：2012年8月19日(日) 23:59 JST

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