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物事の観察方法について

ご相談者:20代/男性

ご無沙汰しております0014でございます。八重桜が綺麗に咲く時期ですが、いかがお過ごしでしょうか。今回も相談と質問がありましたので、投稿させてもらおうと思います。

ポジティブ/ネガティブという聞き慣れた感じのある言葉についてなのですが、この二つに当てはめて考える方法、先生はどのようにお考えでしょうか。
私は随分二元的で柔軟性に欠ける考え方ではないかなと思うようになりました。
肯定的に考えようと、悲観的に考えようと、考えるだけでは目の前の現実は変わらないと思います。突っ込んでいうなら、肯定的とか悲観的といった意味づけと判断は、人間の主観なのではないかと疑問に思います。
目の前で起きていることを、起きていることに則って分析するのは、たぶん物事を客観視するのに役立つと思います。でも、肯定的とか悲観的といった意味づけや判断を下すのは、どう考えても人間の主観ではないか、と思うんです。

自分に都合の良い方向・悪い方向に物事を捻じ曲げるということは、誰もが通る道であると思いますし、もしかしたらそれも人間の性なのかも知れません。私も通った道なので強いことは言えませんが。
でも、こうした二元的な尺度で物事を判断し、その判断に基づいて計画を立てるとき、その計画は現実的な計画になるのでしょうか。結果が大切なのは頷けますが、私はどうも現代的な価値観や考え方、極端なものの見方、成果主義的な在り方に対して疑問を持たずにいられません。善悪や勝ち負けの二元論で片付けられるほど、世の中は単純でしょうか?
どうかこの点について、先生のお考えを聞かせてください。
助言のほど、よろしくお願いいたします。

20代/男性 | 日付:2011年5月 1日(日) 12:55 JST | 閲覧件数: 2,753

大変興味深い意見です。

心理カウンセラー(うつ・人間関係・労働・教育) 渡辺 裕子

0014さん、こんにちは。

今回は、とても興味深いご投稿ですね。
できることなら、直接お会いしてディスカッションしてみたい内容です。
ここでは一方通行なのが本当に残念ですが、私の考えを述べさせていただきます。

ポジティブとネガティブ。

確かに目の前の現実はただ一つであり、人間の主観的な見方であることは私もその通りだと思いますよ。

ただ、自分の都合の良いように捻じ曲げるというよりも、私は、物事の見方を変えると、同じ現象でも2つの見え方があるのだと思います。

例えば、茶筒。
全体像は円筒形ですが、上から見れば円形、横から見れば四角。でもどちらも間違いではない。
という感じです。

ここで、心理学でよく使われる例を挙げて説明します。

[現象] コップの中に半分の水が入っている。
[ポジティブな表現] コップに半分も水が入っている。
[ネガティブな表現] コップに半分しか水が入っていない。

いかがでしょうか。
どちらも間違いではありませんよね。
でも、とらえ方によって、肯定的にも否定的にもなる。

ここで、気をつけてほしいのは、一般的にはネガティブはいけないといわれていますが、私はとても必要なものだと思っています。

例えば、1週間後に試験がある。
ポジティブに「1週間もあるから、まだ勉強しなくてもいいや。」
と考えて、一夜付けするより、
ネガティブに「1週間しかないから、計画的にやらなければ!」
と考えて、着実に行動することはとても大事だからです。

人間、危機感はとても必要だということです。


では、ネガティブの悪い面は何か?

それは、否定的になると、「不安」や「怖れ」という感情が人間には生まれます。

そうすると、怖くて、怯えてしまい、その感情にとらわれ、支配されてしまうと、自分がコントロールできなくなり、物事を客観視できなくなってしまう。
ということです。

そして、1元的な見方しかできなくなるため、全体像が見えなくなり、今、ここでの最善な方法がわからなくなります。

そうなると、問題解決する方法が見つけられなくて、怖くて一歩も踏み出せなくなって、それが負のスパイラスへとつながって行きます。

逆に、肯定的になると、どんどん進んでいける勇気、希望が出てきます。
それがどんどん追い風になり、正のスパイラスへとつながっていきます。

以上のような理由から、一概にポジティブがよし、ネガティブが悪い、という見方はできないと思いますが、大事なのは、自分を見失わないことではないでしょうか。

ただ、それと、世の中の価値観、考え方、極端な見方、成果主義とは別の問題が違うような気がするのです。

多分、ボジティブが勝者で、ネガティブが敗者という意味で言われているのかと思いますが、それについては今まで述べてきたように違うと思いますし、人間いつもポジティブであり続けるということも、あり得ないことです。

成果主義についても0014さんと同意見で、それだけで測れないものはたくさんありますよね。

というか、人類の歴史は失敗を繰り返しながら進歩成長してきたので、成果が出なかったり失敗することがいけないという理論は成り立ちません。

その時に、いかに次に向かって問題解決をしていくか?が大切なことなのではないでしょうか。
そういう意味では、ポジティブは大事ですね。

0014さんのお答えになったでしょうか?
もし、論点がずれていたらごめんなさい。


とても楽しいご投稿、ありがとうございました。
またいつでもご投稿くださいね。

5月に入り、新緑が美しくすがすがしい時期に入って来ましたね。
0014さんも、楽しいゴールデンウイークをお過ごしください。

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回答日時:2011年5月 1日(日) 22:58 JST

回答ありがとうございます。
なるほど、視点の違いを考えるということですね。同じ茶筒でも、目線や立ち位置が違えば見え方も違いますね。また自分の考え方に幅が増えました。様々な角度から見ていった結果として、ポジティブ/ネガティブと分類することもやろうと思えば出来る、くらいの軽い感覚でいた方が楽な気もしてきました。どうも、私の方がポジティブ/ネガティブという捉え方に対して、アレルギー気味になっていたかもしれません。あまり深く考え過ぎるのも問題でしょうか。

世の中の価値観や考え方等々については、見直してみると飛躍し過ぎてますね。
先生の仰るとおりです。ポジティブであり続けようとすると、物凄く疲れますし、まず持続できるようなものではありませんでした。
そして、失敗と挫折の積み重ねのうえにある人類の歴史とお話をいただいて、目が覚めるような思いをしました。そうなんですよね、何かを成し遂げるまでたくさんの練習と失敗の山を築いてきたことでもあるんですよね。挫折から立ち直って前進するときに、分析的な視点が効果を発揮するのかなと思えます。そうしないと、たぶん同じ間違いを繰り返しちゃいますね。

自分を見失わないように、ですか。私は時々自分と他人との境界が曖昧になることがあります。でも、そういう時は葛藤が生まれたり、なかなか踏ん切りがつかなくなるというサインが出てくるので、少しは余裕を取り戻しやすくなりました。流されずに立ち止まって考える自分に気づいて、少し自信が付いたんですよ。

私も一度先生とお会いして、実際にお話したいと思いました。こうした深いことを話し合った経験がこのサイトを通してしか無いので、今とても新鮮な気分です。
今年は何かとゴタゴタした、事件の年になりそうです。エジプトの激動に始まり東日本大震災やソニーの個人情報流出など、これからも何かありそうな気がしますね。GW中は地震が自粛してくれると嬉しいです。長くなりましたが、回答ありがとうございました。

| 20代/男性 | コメント投稿日:2011-05-02 |

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心理カウンセラー(うつ・人間関係・労働・教育)
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