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うつ病のパートナーと男のプライドについて

ご相談者:30代/女性

はじめまして。パートナーのうつ病に悩む女性です。どうぞよろしくお願いいたします。

結婚も視野に入れて同居していた彼が4カ月ほどうつ状態になっています。生い立ちが父親の暴力、止めないし頼りにならない母親、虐待する祖母、小4までいじめに合っていたなどトラウマだらけで、もともと隠れうつ気味だったのですが、いまは表面に出てきた感じです。でも出てきた発端は、自営業でやっている仕事がうまくいかず、私を幸せにできないことへの自尊心の崩壊とプレッシャーを感じていることでした。

彼はもともと極端に自尊心が低い、人見知り、二極性思考、真面目すぎ、誠実でバカ正直すぎる性格、見捨てられ不安が強い、加えて、男のプライドがものすごく強くて(父親の影響が強い)、「男らしさ」にとりつかれています。そんなわけで自分の心身不調も認めないし病院の受診も絶対しようとしません。

仕事がうまくいかないから私に経済的な負担をかけている、私にやりたいことを我慢させているということに激しい罪悪感を感じ、それが心の負担になってうつになりました。
別れを告げられたのですが、彼が本当は私を嫌いになったわけではない、うつ病が言わせていることだというのが彼の様子から分かり、一度は実家に帰ったのですが、また同居している家に戻ってきました。私としてはうつ状態から回復させるのが先だと思ったので、自分の精神を安定させ、負担になる言動は避け、栄養のあるものを作ったりなど今まで通り身の回りの世話をしてあげていました。けれども、それが彼にとっては「自分は男としての務めを果たしていないのに申し訳ない」という気持ちにさせてしまったようです。これが新たな負担になってしまったのではと懸念しています。

そこで質問なのですが、

1.
彼がうつになったもともとの原因が、私を幸せにできないことに対する自尊心の崩壊なので、私と生活をともにすること自体がうつを悪化させるのでしょうか?
2.
今は別居して彼が会いたいという時だけ会う方がいいのでしょうか?
3.
彼は私がまだ好きだということも分かっていて、ヨリを戻せないかもしれないのにご飯を作ってもらったりしたり優しくしてもらうのが申し訳ないという気持ちが負担をかけているようで「そんなことしないでいい」と言います(以前の彼はむしろやってもらいたいタイプだったのに)。一方で、私が彼にとって大切な人というのは変わらない、ふたりは深い縁があるので何年後かにヨリを戻したいと言ったりもします。今も私のことをそんな風に思ってくれている彼の心の支えとして、あまり身の回りの世話はしすぎずそばにいた方がいいのでしょうか?
4.
一緒にいた3年半(親友歴5年)、私は彼を高く評価し褒めたり肯定し続けてきましたが、今の彼にとっては「彼女に慰められている=みじめな気分」みたいに感じていることも考えられますか?

彼はとてもモテるにもかかわらず、自尊心の欠如のため女性を好きになることや彼女をつくることを長い間避けてきました。また、以前本気で好きになって同棲していた彼女とは、頼れる存在が自分だけではないと分かると、彼女に何も告げずに去ったような人です(そんなみじめな気持ちは話したくもないと)。

私が今彼の苦しみをやわらげるための一番の方法は何でしょうか。別れること、別居すること、病院を勧めることも、彼を苦しみから解放させるためには何でもしようと覚悟していることです。

長文で申し訳ありません。本当に悩んでます。
どうかアドバイスをお願いいたします。

30代/女性 | 日付:2010年11月17日(水) 03:34 JST | 閲覧件数: 9,665

うつ病とプライド

鈴木 直人

非常に難しい問題ですね。
答えにはならないと思いますが、参考になると思いますのでお伝えいたします。


まず、彼はプライドが高いこともありますが、
「自分は弱い人間」であるという自覚が非常に強いために、
強さへのあこがれの方が強いのでしょうか。
これがプライドを「未成熟」にさせている原因です。



もしそうであると、自分が強い時はいいのですが、
強くない時はその事実を受け入れたくなくて引きこもりのようになってしまいます。
今がその状態です。
「mirukoさんから引きこもりたいだけ」で
別れ話になっています。


これは心を壊れないようにしているのです。
無理やり現実を見ると非常にストレスがかかってきます。

ですから、mirukoさんが彼の世話をすればするほど、
弱い自分を見せつけられるのでストレスを感じるのも事実です。

年齢が分かりませんが、若ければ若いほどこの傾向が強く出ます。


ですから、一時的には少し離れるのも一つの手段です。



しかし、彼は暴力・虐待・いじめの中をくぐりぬけて来た
非常にがまん強い方です。
時間はかかりますが、事実を少しずつ受け止めていき、(本当に少しずつですが)
精神的に成熟してくれば、必ずこのような状態から脱することが出来ます。


彼は見捨てられ不安が強いため、
見捨てられないうちに自分から別れるという
心理的防衛をしているにすぎません。
真に別れたいわけではありません。
このことはmirukoさんも感じていると思います。


そのため、「私にはあなたが必要である」というようなことを
mirukoさん自身が彼に言うことは非常に重要です。

「自分の体調が悪くなったからって私を見捨てないで」
という意味合いの言葉を「心から」言わないと
彼の未成熟なプライドは満たされないと思います。

また、彼は敏感なので、
心にもないことを言った場合には、すぐに口だけだとも分かりますので、
本当に心から言える場合の時に言うようにして下さい。



さて、ここまで話してきて、彼の苦しみを和らげる一番の方法は何でしょうね。


別れることで彼の苦しみは確かに和らぎますが、
次の女性でまた同じことを繰り返すでしょう。

別居することは先ほど言いましたが、手段の一つですね。

もちろん、病院を進めるのも。




これはあくまでも推測ですが、
mirukoさんの文面を見てズバリ言ってもいい人だと思いましたので
最後に重要なことをお伝えします。

彼は能力は非常に高いですが、精神的に未成熟の部分が大きいです。
その部分がうつ病の原因です。

その未成熟な部分を成熟していくには相当な覚悟が必要です。
パートナーも非常に大変です。
その覚悟があるなら彼を支えて下さい。
もし、その覚悟がなければ中途半端になり、逆に彼を苦しめることになります。
覚悟を持って判断して下さい。




自分の弱さを受け入れた時に、人は成長し強くなります。
弱さを受け入れると、今マイナスに働いている力がプラスに働き始めます。
自殺未遂した人でも、今は立派に会社の社長をやっている人が何人もいます。
その方たちは全員、自分の弱さを認めたところから好転し始めています。


これを彼に伝えてあげて下さい。






ご相談、ありがとうございます。
拙い走り書きですが、参考になると幸いです。

                     うつ病回復アドバイザー 鈴木直人

回答日時:2010年11月19日(金) 10:55 JST

大変わかりやすく的を射たご回答をありがとうございます。こんなに親身にかつご丁寧にカウンセラーさんにご回答をいただいことはなかったのでとても嬉しかったです。そして先生のおっしゃっていたこと、すごく当てはまると思いました。また、数々の言葉にとても励まされました。

その後、少し変化がありました。
これまでほとんど口をきかずにふさぎ込んで過ごしていた彼に、私はよりを戻す気はないから安心してほしい、お金が貯まったら出ていくということを伝えました。私のことをプレッシャーに感じている彼の心を少しでも軽くしたいと考え、本当に別れを決心してそう伝えました。それと同時に病院に行くことをお願いし、涙ながらにあなたがこんなに苦しい思いをしているのはかわいそうで仕方がないと言ったら、彼はそれに心を打たれたのか、心を開いて弱いところも見せてくれるようになりました。

思えば、彼がうつに入ってこれまで何度も泣いてきましたが、それは結局自分の辛さに対する涙だったように思います。先生のいう「心から」彼の苦しみを思い、純粋に彼のために涙を流したのは初めてだったのかもしれません。それが彼の心に響いたのでしょうね。

もちろんまだうつ状態から抜け出せてはいませんが、必死に強さにしがみつき私との間に壁をつくろうとしていた時と比べると、毎日自分の心境などを話してくれ、私の前で泣くことを自分に許すようになっただけでも、一歩前進したのかもしれません。これまではどんなことがあっても絶対に男は涙は見せないというタイプだったし、私の前では特にいつも強い男でなければと必死だったので。。

「心から」というのは本当に大切なことだと思いました。まだ渦中にいますが、彼の苦しみをきちんと理解し、時間をかけて彼が精神的に成熟できるように支えたいと思います。

どうもありがとうございました。心より感謝いたします。

| 30代/女性 | コメント投稿日:2010-11-20 |

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