調停を掛けるという意味

夫婦問題カウンセラー 村越 真里子

ダメ夫さん（、ご自身がお付けになったハンドルネームとは言えこのように呼びかけする事をお詫びします）
お返事お待たせ致しました。

冒頭からややお説教モードですいません。
このような質問の仕方はとても男性に多いのですが、実は非常に困ってしまいます。

例えばダメ夫さんが暫く会っていなかった親友から
「妻とうまくいってないんだ、そして妻が家を出て行ったんだ・・・」と相談された時にダメ夫さんは何てアドバイスしますか？

とりあえず「何があったんだ？」と聞きませんか？

このように男性の質問の仕方はとても抽象的なのです。
これはやはりダメ夫さん自身が私に質問されたように「中身」が何も判っていないからご質問されたのだと思いますが、正直申し上げて、28年間も一緒に暮らしていた夫が何も判らないという問題を、一度もお会いしたこともない私は霊能者や超能力者でもないので奥様の心理がわかるはずがないのです。
でも逆に奥様の生年月日などをお聞きして、占いのように、「奥様はこんな人ですよ・・・」と断言した所で本当の解決になるでしょうか？（尤も私はお遊びの範囲でしか占いは捉えていません。朝のワイドショーで今日のあなた・・・と言うのを見るくらいで人生の大切な事を暦に託そうとは考えませんので・・・）

そういう訳でダメ夫さんの考え方がここで露呈しています。

つまり、「足から出血がしています、痛くてたまりません、どうすればいいですか？」というような物で、その出血の原因は
切り傷なのか、すべってこけた擦り傷なのか、骨折して骨が飛び出すほどの大怪我なのか・・・・・

要はその中身が大切なのです。

しかし実際、夫婦の長い歴史の中で全てここで書くことは出来ないと思います。
でも、私という初めてのカウンセラーに関して、「ダメ夫さんの家庭の過程」という駄洒落のような事でも説明してくれないと
質問にも答えられないという想像力が欲しいのです。

まず、相手に対して中身を説明するという、相手に判ってもらうための努力が必要です。
答えを求めるならば、その前に、まず中身の分析くらいは自分で出来なければ相手の心までは届くはずがありません。

このような回答者の立場をしていながら、無責任に聞こえるかもしれませんが、自分の足元さえも見えない人の現状に
私は遠隔地にいて、その質問者のまだその奥にいる奥様の現状や心理が見えると言ってしまえば、それはもうファンキーな大ボラ吹きになるでしょう。

それはこれまでの結婚生活の中において、ダメ夫さんが奥様に対しても、まず奥様に自分の事を理解して欲しいと思えば少なくとも、一生懸命に説明すると思うのです。

要するに相手を判ろうと思えば、まずご自身の事を判ってもらう努力をするべきなのです。
私も中身が見えなければ何も判りません。
出血の痛みは、切り傷なのか手術が必要な骨折なのか、全く痛みの原因が判らないので治療方法が示せないのです。
だから、答えを私に求めるのであれば、少なくとも経緯をすくめ、その原因になった中身を私に説明してくれないと
奥様の心情までは到達する事はできません。

夫婦とは所詮他人です。
黙っていて判る物ではありません。
相手を理解したいと思えば、先ず相手に自分を理解してもらうような説明が必要です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
と、説教はこのくらいにして、本題に入ります。

まず調停の事に関してですが、ダメ夫さんから調停を掛けることは、まだしないほうがいいのではないでしょうか？

それは先ほどの説教に通じる話ですが、相手の心情が全く見えない中で単に調停をしても行き先の判らない電車に乗るようなものです。

だから先ず奥様の言わんとしたことを私に教えてくださることで少しは奥様の心情が判ると思いますので本来は一度ダメ夫さんとお会いしてお話ししたいくらいです。
実はこのような問題はメールで解析できる物ではありません。

私の相談スタイルは、先ずお顔を見て話をします。
相談者の希望としては、メールとか電話で自分の欲しい情報だけ簡単に教えて欲しいという方が多いのですが
実は本当の答えはそんな簡単に答えられるものではないのです。
1＋１は２のような方程式が夫婦にはありません。
お電話ではニュアンスの違いが伝わってこない事もあります。
私の立場で言わせて頂くと、お顔を見て初めて真剣さが伝わる方もいますし、実はメールの文章はとても冷静でも
意外と短気で横柄な態度の方もいます。

そう考えれば、それはパートナーに対しても恐らく横柄であっただろうと思うと、夫婦のこじれた原因は本人が意外と気付いていない他の部分にあったりします。

だから本当の答えを欲しいと思われる方とは、面談しなければ、まず答えは出ないと考えています。
と、いう事で本筋を見る必要がある場合は、このようなメールでは限界があるという事を大前提ですが、
とりあえず、今お答えできる、出来る限りの回答をさせて頂きます。

「妻の心理は？」という事に対してですが、妻の心理が判らなければ、先ず自分に置き換えて下さい。
妻とか、夫とかという立場で考えるから判らなくなるのです。
自分だったら？というようにお考え下さい。

夫婦円満調停を申し立てるのは得策か？という質問ですが、先ずご自身が奥様に「後は調停で話し合おう」と
言われて、どんな気持ちがしましたか？恐らくダメ夫さんもいい気分がしなかったのではありませんか？

だから慌てて裁判所に問い合わせたのでしょ？
つまり調停を申し立てるという事は挑戦状をたたき付けるようなものなのです。

家庭裁判所の調停とは言え、裁判所であることには違いありません。
家庭裁判所で調停とは、要は合法的な夫婦喧嘩だとお考え下さい。
夫婦の場合、調停前置主義といっていきなり裁判が出来ないという法律があるので調停をするのですが
調停でキチンと折り合いが着く場合もありますが、結局は話し合いのできなくなった夫婦が家庭裁判所というところで
決着を付けると思えば、あまりいい気分の物ではありません。

また調停は調停員という第3者を入れて、冷静な話し合いをしようという事であって
正直言いますと家庭裁判所で行う夫婦喧嘩のようなものです。
普通に考えると「第3者を入れて話し合おう」という発言をした時点で、もうそれは夫婦での話し合いが成立しない関係だという事の証明です。

そして調停が不調になり裁判に持ち込むとなると、裁判は公開夫婦喧嘩のようなものだとお考え下さい。
と、いう事は調停は裁判の前の為のものと考える事も出来る訳で、そうなると調停は消化試合のような意味でもあるのです。

もっと言えば「裁判所で話し合おう」と言った時点で、これはもう「敵」になるのです。

これを少し耳障りよく「夫婦円満調停」を申し立てたと言っても、最初から離婚申し立てというのは角が立つので
一旦は「夫婦円満」に話し合う姿勢に見せるだけで、実は調停をするという時点で円満でも何でもなく、それはやはり合法的な夫婦喧嘩という戦いなのです。そして円満を目指し話し合ったが結局離婚になるという可能性を大いに含んでいるという危険性もあります。

だからいくら一見平和に聞こえる「夫婦円満調停」を掛けたと言っても中身は、プチ裁判です。

これを奥様に対して申したてたら、どういう事に向かうか・・・これはもう私が言わなくても判るでしょう。

妻の心理は？とか　夫の心理は？なんて立場で考えるから本質が見えなくなるのです。

どちらも人間です、人としてどう思う？と考えると奥様から「調停を掛ける」といわれた自分の気持ちを考えてみてください。
そうしたら　円満調停なんて言葉に誤魔化されている場合でない事はお判りいただけるはずです。

私は子どもの頃から母親にいつも言われたことがあります。
それは「自分がされて嫌だと思うことは人にしてはいけません」という事でした。
大正生まれの母でしたが、素朴な教えを私にしてくれました。

調停という言葉を奥様から聞き、「ギョッ」としたのであれば、それは奥様に対して同じ事をしてはならないでしょう。

でも、もし同じ事を「目には目を」という事でしたら、それはもう敵同士という関係でしかありません。
だからダメ夫さんが調停をかけるという事は、夫婦は破滅に至るという事です。

ここで調停を掛けるという意味はお判りいただけたと思います。

とは言え、私は奥様の行いにも実はある種の疑問を感じています。
それはもう少しダメ夫さんとお話をさせて頂かないと、ハッキリした事は言えませんが何かダメ夫さんには判らない
奥様の心の闇があるような気がします。


【妻は１年半前にも、些細なことから喧嘩がエスカレートし私が「出ていけ」と怒鳴った事で実家に帰ってしまった事がありました。】

些細な事がエスカレートしたと、有りますが奥様が実家へ帰られたのは出て行けと言われたから帰ったのではなく、些細な事がエスカレートするダメ夫さんの性格や本当は大事なことなのに些細な事としか捉えていないダメ夫さんに愛想を尽かしたとは考えられませんでしょうか？

要は小さい事と考えていても小さい事が実は大事な事である場合もあるのです。
ここが判らないと、奥様との溝は埋まらないでしょう。

私はこれまで離婚寸前の夫婦を修復させてきた実績があります。
裁判まで発展していた夫婦の離婚回避をしてきました。

ダメ夫さんのお力にはなりたいと思いますが、先ずその前に
「何があったの？」という素朴な事の説明くらいは出来る親切さを持ちましょうよ。
その親切さが奥様に通じる第1歩になると思います。
個人情報を沢山お聞きする中でこのオープンなサイトでの回答はここまでが限界です。

出来れば直接お顔を見てお話しできるといいですね。
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回答日時：2010年3月23日(火) 05:21 JST

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