うつ病は体から治す(1)

  • 2010年11月25日(木) 16:56 JST
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うつ病というと…
病院で薬をもらいカウンセリングに通うというイメージがあります。
更に今流行りの認知行動療法を取り入れる方も多いでしょう。

これは『心』を治すことにより、うつ病を克服しようとしているのです。
しかし、これはこれでとてもいいのですが、
残念ながらうつ病は心の治療だけで治すのは難しいのです。


なぜでしょうか?


それはうつ病は心の病気でもあるけれど、『体』の病気でもあるからです。


例えば、うつ病になると思考力が低下してきます。
思考力が低下した状態で、カウンセリングを受けるのは非常に疲れます。
認知行動療法も同じです。
患者さんの思考力を使ううつ病治療は、うつ病が悪化している状態では適さないのです。

そして重要なことが他にもあります。

実は、体の状態がわる時には、思考がゆがんでしまうのです。

例えば、胃が痛い時を思い出して下さい。
あまりにも胃が痛い場合に、
「ひょっとして胃ガンかもしれない」と考えたことがある人は多いでしょう。

つまり、体の悪い時は現状よりも「ネガティブ」に考えるものなのです。
これをネガティブに考えないようにしても、
反射的に思ってしまうものなので無理があります。


なせなら、体の中には『原始反射思考』が残っているからです。
原始反射思考とは、
原始時代には生き抜くために有効だった無意識的で反射的思考です。


例えば、原始時代には、
野生動物から食べられてしまうかもしれないという危機が常にあります。
そのため、危機を常に予測しなければなりません。

仮に今が原始時代だとします。
そしてあなたは体の調子が悪いとします。

するとどうでしょう。いつ野生動物が襲ってくるかわかりません。
そのため、あなたは「常に最悪」のことを考えてその準備をしなければなりません。
そのためには…

・あそこから襲われたら、あっちに逃げよう。
・この動物が襲ってきたら、この武器で応戦しよう。
・夜に襲われたら、この陰に隠れてやり過ごそう。

このようにネガティブに考え、そしてそれに対応することで
危機から逃れられる可能性がグンと高くなるのです。


体の調子がいい時よりも悪い時の方が動きも鈍いです。
そのため、体の調子が悪い時には、いつもより悪い方に考えないと
危機に対応できません。

このような原始レベル反射があるため、
まずは体をある程度治してから心を治す必要があります。


体を治すというのは、まずは休養が必要です。
あれこれ考えずに、ひたすら休みましょう。

そして、体から出ている症状、例えば、疲労感や不眠症や食欲不振などや
体のゆがみ、例えば、骨盤や背骨、そして頭蓋骨などのゆがみを治すことです。
筋肉の緊張を取ることも有効です。


私自身もうつ病のひどい患者さんには、
まずは筋肉の緊張を取ったり、骨盤や頭蓋骨などのゆがみを取ったりするために、
体から治そうとしています。


体がよくなれば、原始反射思考による思考のゆがみがなくなります。
そのため、それだけでも精神的ストレスが軽くなり、
症状が改善することはよくあることです。

「うつ病=心の病気」と考えずに、
「うつ病=心と体の病気」と考えてみると、
今とは少し違ったアプローチが考えられるでしょう。


                         うつ病回復アドバイザー   鈴木直人

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