相談&回答 |
約3分で読めます。
※相談&回答を読んだ時の目安時間 |
回答プロ: 太田 慈子
ご相談者:30代/男性
小学生の頃、担任の教師と生徒たちから苛められていた。
或る日学校に行かず、ランドセルを公園に置いて、町をぶらぶら一人で歩き、夕方頃家に帰ってみると、玄関の前に母親がいて、何も理由を聞かれず怒鳴られた。
次の日、僕はいつものように朝起きて、朝食を食べ、顔を洗い、歯を磨き、忘れ物がないか確認し登校した。しかし、それは僕の抜け殻のようなもので、もう一人の僕が少し上空からその光景を眺めていた。
その日から過ごした二年間の学校の記憶が完全に欠落している。
ふと、気がつくと校舎の屋上。
遠くに見える雲を何気なく見つめている。
いつもの、顔のない人たちが僕の傍にやってきて、未分化の音声を発している。
サイレンの音が鳴り響き、焦げ臭い臭いがする。
「火事だ!」
誰かが叫ぶ。
消防車、赤、そして…
僕は失った『僕』を手に入れた。
まったくの偶然だった。
しかも、その少し前に姉の友人(母と娘)が同じく火事で焼死していた。
「僕は運がよかったんだ。もう二度と奪われてたまるもんか」
それから僕は道化を演じるようになった。
「君たちの望みどおりになんでも演じてやるよ。僕は君たちとは違うんだ。奪われてたまるもんか」
そして僕は見事に演じることができた。
火事をきっかけに転校した。
転校先の女教師からは頻繁に殴られていたけれど、生徒たちからは苛められなくなった。
そして、演じる生活に馴染みかけた頃。
突然、死の恐怖にとらわれるようになった。
夜な夜な、それは襲い掛かってくる。
闇の中から無数の手が伸びて、僕をそちら側へ引きずり込もうとする…。
「宿題だって?先生、明日死ぬかもしれないのに、いやひょっとすると数秒後には死んでいるかもしれないのに、来るかどうかもわからない明日を信じて宿題をするだなんて、僕は愚かを演じてはいるけれどそこまで愚かじゃないんだ」
ついに僕は死の発作を抑える方法を編み出した。
死の恐怖はない、死を想像するから恐怖するんだ。
だから、想像力にストッパーをかければ、毎夜襲ってくる死の恐怖の発作を抑えることができる。
最初はうまくいったけれど、段々それも抑えが効かなくなってきた。
そして15歳の夏。
僕は不思議な体験をする。
自我が後方に退き、全ての過去、そして未来を思い出す。
いつもそれは共にあったんだ。
どうして忘れていたんだろう。
そしてその光が僕を救ってくれた。
それから数ヶ月、僕はあまりものショックで記憶が失われている。
数十年後、トリガーが作動する
自称、メフィストを名乗る男がそっと耳元で囁く
「僕は殺してしまったんだ。母親を…」
僕の中で何かのスイッチが押される
そしてその男の紹介である店に出入りするようになる
店主と女性店員が和やかに僕を迎え入れてくれる
僕はその女性に一目ぼれし、やがて交際する
「あなたは愛されていたのよ…」
彼女は全ての過去を僕に話してくれる
辛い過去を
レイプを
自殺未遂を…
だけど、僕は正しい言葉で彼女を拒絶する
「ちがう、これはほんとうの僕じゃないんだ。ほんとうはずっと君と一緒にいたいんだ」
彼女は僕から去っていく
僕はもうあの頃のように演じることが出来なくなっていた
そして、恋人を、親友を失った…
何年間もひきこもり
30代/男性 | 日付:2011年2月20日(日) 05:48 JST | 閲覧件数: 796
回答日時:2025年5月26日(月) 08:00 JSTお礼のコメントを書く
・お礼はご本人のみ投稿可能です。
・回答を読みましたらご投稿下さい。
こちらのプロも相談受付中です。
悩み辞典は、安心して登録・相談できます。
※ 当サイトは、ご記入いただいた個人情報を、お問い合わせに対するご連絡以外の目的では使用いたしません。
※ ご記入いただいた個人情報は、当サイトで保有し、第三者に提供することはありません。
※ 当サイトの個人情報の取扱方針につきましては、プライバシーポリシーをご確認ください。
※ 財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)より個人情報の適切な取扱いを実施している企業であることを 認定する「プライバシーマーク」(Pマーク)を取得しています。
※ ベリサイン社のデジタル認証IDと暗号化(128bit)によって保護され、安全にお申込み頂けます。
ご相談のお礼のコメントがドシドシ届いています。
悩み辞典で笑顔のきっかけを見つけて下さい。